店を開業するにあたり、まずこだわったのが、理容室にとって最も大切なアイテムのひとつであるバーバー椅子でした。当店では、革を張替えるなど古い型をメンテナンスしたバーバー椅子を使用。現行品にはないカクカクとしたフォルムが気に入っています。また、鏡は、先代が30年間使ってきたものを引き継ぎました。こちらも独特の雰囲気を持っており、小森園理容所を象徴する存在感となっています。他にも、元々鉄鋼所だった工房が手がけた鉄のワゴンや、北海道の作家さんにオーダーしたアンティーク調のドクターキャビネット、職人さんがコテで仕上げた質感のある漆喰壁、アメリカンスイッチなど、4代目小森園が惹かれたアイテムで店内を構成。古い・新しいに関わらず、時がたっても廃れることのない“味わい”を大切にしました。祖父の代から使っている店頭のサインポールの様に、店自体も味わいを増しながら、歴史を重ねていきたいと考えています。